原子力発電とエネルギーをめぐるQ&A

 

  なぜ「脱原発」か 原子力情報資料室のこちらのページも参考になります。

 

1 原子力発電はCO2を出さないので、「環境にやさしい」のでは?


・放射性廃棄物の処分が未確立。再処理と高速増殖炉も、技術的に困難でコストも高く、海外では中止された。日本の再処理システムは確立するまであと50年かかると言われている。

・ウランの残存量は60~70年。再処理工場と高速増殖炉の確立に間に合わない。

・放射能汚染がある。微量といえど、発電所から毎日放出され続ける。

・海への薬品入り温排水投棄による生態系破壊。

・万が一の事故の際の、被害の甚大さ。発がん、白血病などのリスク。

・発電時(タービンを回すために水蒸気を発生させる工程)ではCO2は出ないが、原発は不安定なシステムなため、必ずバックアップとして火力発電所を併設する。そのCO2をカウントしていない。

・ウランの採掘・製錬・加工・輸送過程にかかるCO2や環境汚染が考慮されていない。オーストラリア・アジア・南アフリカ・北米などの鉱山から、加工の為にアメリカ等に、そして最後に日本に運ばれる。

 

 

2 海外では原子力発電が増えている?


・スウェーデンやドイツで、保守系への政権交代により、原子力廃止のスピードが鈍化はしている。

・ドイツでは、前政権のときに「2022年までに原発を全廃する」という方針がたったが、政権交代により、産業界の要請によって2010年9月に、10~14年間の稼動期間延長が決められた。しかし、市民からは反対の声があり、ベルリンでは3万7千人が集まるデモが起きている。

・スウェーデンでは、原子炉の立て替えを認める法律が成立した。しかし、それは自然エネルギーへの転換が完了する前に、原子炉の寿命が来た場合の選択肢として提示されたもので、実際には困難。政府の援助は無く、事故の補てんはすべて企業責任となる。

・永続的な雇用を生み出す、成長分野。世界の投資がリーマンショックを経ても、再生可能エネルギーに集中している。脱原発・自然エネルギー拡大という大きな潮流は変わっていない。

・中国などアジアへの原発輸出が増えている。それは先進国ではもうほとんど立てられる余地がないため。(アメリカでは30年ぶりの新設計画が、10月にコスト高のため凍結された。)

 

 

3 なぜ自然エネルギー(再生可能エネルギー)がいいの?


・太陽光発電、太陽熱利用、バイオマス発電、風力発電、地熱発電などの自然エネルギーは、CO2発生がほとんどなく、かつ安全で建設コストも安い。

・自然エネルギーは不安定さが指摘されてきたが、オバマ大統領が提唱するスマートグリッドで、地域間の電力を融通することが出来る。日本も含めて米欧中各国で、実験や事業が開始されている。

・とはいっても、電気をじゃんじゃん使う今の暮らしでは何かしら環境への影響は大きい。自然エネルギーへのシフトだけでなく、まずは省エネルギー、省資源への転換が必要。

 

 

4 エネルギーって、国レベルで考えることでは?


・自然エネルギーが生まれるのは、自然資源が豊かな地方。そして、地域ごとに得意分野が違っている。それぞれの特性に応じた多様な分散型のエネルギーが、地域に根差した産業として確立することで、経済や文化もシフトしていくことでしょう。

 


5.脱原発するには、制度をどう変えればいいの?


・電力供給を増やすのではなく、逆に電力需要を調整するという発想がある。独・北欧のように、同じ電力消費量のままでも電力需要をなだらかにしたら1/4の発電所はいらなくなる(日本の発電所は年間58パーセントしか働いていない)。電力需要のピークをカバーするために発電所が増設されているが、ピークを下げるには
①夏場・平日・午後2時というピーク時間帯の電気料金を上げる。(主に産業用)②省エネインセンティブをもたせる仕組みづくり。(例:省エネ電球の割引)(新たな発電所建設よりも安い)③電気配線を重要度で分けて、ピーク時の供給量を管理する。(例えばアメリカの電力会社がピーク時に5分ずつ家ごとにずらしてエアコン用の電気を止めているように、必須でない配線は電力会社がコントロールできるようにする。)